元祖ルドルフの復活/エリザベート

まいどおなじみ帝国劇場でエリザを観た。今日からルドルフは井上くん(芳雄)がつとめる。つまり、井上くんの初日である。トート閣下は山口祐一郎さま。1幕は大人ルドルフの出番なしなので、あまり興味なし。「闇が広がる」の出だしで山口トートの声が今日も不自然なことを確認して、どうやらわざとやっているらしいということに、ホッとするやら何をやら。


2幕で大人ルドルフ、ついに登場。20分ばかりを出づっぱりで駆け抜けていく。ついにお目当ての「闇が広がる(リプライズ)」。祐様トートの胸を借りて、井上ルドルフが3年ぶりに歌いあげる。その声量と存在感は閣下を凌駕し、ルドルフの声しか聞こえない。それでもいい、いいのだ。観客はみな思っていたに違いない。
「それがいい、ルドルフ!待っていたぞこのときを!」
曲が終わり、しばらく鳴り止まぬ拍手。いや、ほっといたら誰もやめる気配なし。おもむろに舞台上から客席にやんわりと手をむけて拍手を制するトート閣下。そのとたん、みな魔法にかかったようにピタリと拍手がやんだ。


井上ルドルフ復活の夜。2001年公演のときは、まだミュージカルを観ていなかったので、今回が初井上ルドルフだった。しかし、CDではもう擦り減るくらい聴いている(CDだから減らないけれど)。そのときよりも、おそらく演技力も歌唱力も向上していると感じた。次に井上ルドルフを観る機会があるかどうかはわからない。それだけに、今回観ることができたのは、とても幸運だった。