もう一人のトート閣下/エリザベート

山口祐一郎閣下に引き続き、内野聖陽閣下を観劇。それにしても、同じ役を違う人がやるとこれだけ違うものか、とあらためて感嘆。たぶん演出も、小池さんが二人のキャラが立つよう変えているのだと思うが、それにしても!である。


ウッチーはすっかり立派なミュージカル俳優に成長した。いや、ミュージカルもできる俳優か。歌は安心して聴いていられるし、「最後のダンス」では去年と節回しを変えているところもあった。余裕すら感じられる。


ウッチーのトートは、とても色気がある。友人の間では「エロトート」と呼んでいたが、人間くささを感じる。山口トートの帝王ぶりとは対極である。どちらがいいというもんでもなく、どちらも完成されている。あとは好みの問題だ。


井上ルドルフとの「闇が広がる」を期待していたのだが、井上君の調子がいまひとつだった。いや、ふつうの人と比べればぜんぜんオッケーなレベルだと思うのだが、どうしても高いレベルを求めてしまう。ましてや、22日を観てしまった身としては、なおさらなのだ。


一路エリザと内野トートがからむシーンは、実生活もこんなんなのかな、などとどうしても想像してしまって、変に緊張する。いやいや、こんな格好して生活してるわけないんだけど(笑)。


さて、こうして東京で1ヶ月間だけの公演という、やや突発的な感があったエリザベートが終わった。次回、このメンバーでの公演は果たしてあるのだろうか。個人的には、もうこの舞台は完成され尽くしていて、メンバーを変えて新しいものをやるべきときに来ているように思う。