2004-01-01から1年間の記事一覧

不思議な符合

江國香織の名を初めて聞いたのは、ピアニストの知り合いからだった。彼女はライブハウスでトリオ演奏をやる活動的な側面を持ちつつ、話下手で内気な性格のAB型だった。なんとも掴みどころのない人という印象である。その子に「どの作品がいいの?」と聞くと…

冷たさと優しさと/「戦場の黄色いタンポポ」橋田信介

久しぶりに日本語の本を読んでいる。著者は、今年イラクで武装集団に襲撃されて亡くなった、戦場ジャーナリストの橋田信介さん。11年前に出版された本を文庫化したもののようだ。 戦場ジャーナリストとは、ある意味不思議な人種だ。平和の中にいると何か漠然…

宮崎アニメ鑑賞記/「ハウルの動く城」

新宿で、ハウルを見た。宮崎アニメを映画館で見るのは、「千と千尋の神隠し」が初めて。あれが3年ちょっと前。あの時は上野で見た。もうそれから3年か。月日が経つのは早いような、そうでないような。 ところで「ハウル」。とにかく絵がきれい。特に背景が…

格闘シーンよりびっくりしたこと/「血と骨」

そういえば、映画「血と骨」を見た。「新選組!」ですっかりメジャーになった感があるオダギリジョー(もともとメジャーだという声も聞こえそうだが)とビートたけしの格闘シーンがお目当て。しかし、オダジョーの出演シーンは意外と短かった。とはいえその…

大河の裏番組だから/「ビフォー・アフター」松谷卓

CD

知り合いからCDを借りた。まだ聞いてないけど、ちょっと楽しみ。テレ朝でやっている番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」は大河の裏番組だから、ここ1年は見ることもなかったが、久しぶりに見てみようか。もうマンネリ化してて、いつ終わってもおかしく…

初の関西遠征観劇/「エリザベート」

久しぶりの関西遠征である。とはいえ、ふだんは遊びに行くところ。観劇のために行くのは初めてである。メインは、ミュージカル「エリザベート」。しかも、ダブルキャストで昼と夜の部があるのだが、1日に両方見てしまおうという、贅沢なんだがお馬鹿なんだ…

感性の変遷

学生時代ピアノのサークルにいた。その頃は、人の演奏を聞いて「うまいなあ」とは思っても、それ以上の何かを感じることはなかった。自分のアンテナの感度が、まだまだ悪かったのだと思う。 昨日、サークル同期のダンナさんのピアノコンサートに行ってきた。…

日本にミュージカル熱をもたらした作品/「CATS!」

五反田に出かけた。駅から徒歩10分くらいのところに、CATSの文字を冠した劇場があった。 2階の一番上の席。全体が見渡せるので、かなりいい場所。専用劇場を作ってしまう劇団四季って、やっぱりすごいなと思う。しかもCATSのための劇場。演出もやりたいよう…

ミュージカル・アクション・コメディーの宴/「一夜千夜物語」SET

ミュージカル・アクション・コメディーを謳い文句にしている劇団スーパーエキセントリックシアター(SET)。創立25周年を迎えて、記念公演「一夜千夜物語」を上演している。 SETとのつながりは22年前にさかのぼる。1982年にYMOが散会した。そのときリリースし…

初めての歌舞伎

歌舞伎座で、初めて歌舞伎を見た。いままでたまに誘われることはあったのだが、なかなか都合が合わずに実現しなかった。いったいどんなものなのだろう。 昼の11時半から4時まで、全部で4演目。途中休憩はあるにせよ、長丁場だ。 中村鴈治郎がすごかった。し…

英語のペーパーバックと私/「There's a Boy in the Girls' Bathroom」Louis Sachar

英語のペーパーバックを読んでいる。こども向けの簡単な英語の本でもなかなか大変なのに、ペーパーバックなんてとても手の届かないところにあると思っていた。 でも、いま読んでる本は楽しい。友達がおすすめしてたので、挑戦してみようと思った。たぶん児童…

なぞのCD/「愛のメモリー」「ビューティフル・サンデー」

CD

今日はお客様とけんか腰の電話会議をした。そこから調子が狂って、全然仕事にならない。週の始めから壊れっぱなしというわけ。 その勢いで、回りの迷惑も顧みずなぜか「愛のメモリー」を鼻歌で歌ってみたりして、さらに壊れっぷりがエスカレートしていたとき…

盛り上がるタモリ倶楽部

最近、タモリ倶楽部が面白い。 もちろん、元から面白いのは間違いない。斬新なネタと不思議なゲストの組み合わせで独自の世界を繰り広げつつ、タモリが自由に振る舞うことでなぜかまとまっている番組。これほどタモリが伸び伸びと自由に好き勝手にやっている…

桜井君の目指すもの/「沿志奏逢」Bank Band

CD

ミスチルの桜井君が自分の好きな曲をカバーした「沿志奏逢」が出た。限定版らしいので、予約でないと買えないかと思ったが、ちゃんと店頭に並んでいた。ミスチルの名義で発売していれば、あっと言う間に売り切れてしまうかもしれないけど、さすがに別名義で…

舞台との違いを楽しむ/「笑の大学」

今日から公開され始めた、映画「笑の大学」を見てきた。三谷君の舞台作品が映画になったのは、「12人の優しい日本人」「ラヂオの時間」に続いてこれで3本目だろうか。公開初日ということでかなり混雑しているのかと思ったが、冷たい雨のせいかそれほどで…

あるフィンランド人ピアニストのこと

12月にとあるピアノリサイタルに行くことになった。ピアニストの名は、ヘンリ・シーグフリードソン。彼はフィンランド出身であり、世界中を演奏して回っている。とはいっても知っている人はまだまだ少ないはず。2〜3年くらい前に一度彼の演奏を見たことが…

東京都現代美術館探訪

はじめて東京都現代美術館に行ってきた。電車で行くにはやや不便なのだが、車で行くと首都高の木場ランプのすぐ近くなので、気軽に行く気になる。もっとも、今回はしたみちで走っていったのだけど。 お目当ては「ピカソ展〜躰(からだ)とエロス」。内容は、期…

名作舞台をスクリーン上で再演/「笑の大学」

「笑の大学」が映画になった。 何年前のことだったか忘れたが、正月にNHKで三谷幸喜特集と題して、三谷さんの舞台作品が2夜連続で放送されていた。初日が「巌流島」で、二日目がこの「笑の大学」だった。 西村雅彦演じる検閲官・向坂と、近藤芳正演じる喜劇…

グッゲンハイム美術館展

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されている、グッゲンハイム美術館展に行ってきた。去年の11月に出張で2週間ほどニューヨークに行ったが、そのときはメトロポリタンとMoMAしかいかなかった。なぜグッゲンハイムに行かなかったのか、いまとなってはちょっと…

とあるギャラリー

気付かなかった。会社の近くにこんな香ばしいギャラリーがあったとは・・・。http://www.tomiokoyamagallery.com/ 本当はおとといくらいに「ぴあ」を見ていて気付いた。この近くは、お昼を外に食べに行くとき、何度も通っているけれど、そんなギャラリーなん…

芸術の秋

食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋。 秋にはいろんな修飾語がつくが、最近電車に乗っていると、やけに美術展の広告が目に付く。それが、どれもこれも興味をひくものばかり。あまりに多いので、これは本腰入れて調査せねば、ということで久しぶりに「ぴあ」を…

仕合わせとは/「糸」中島みゆき

CD

なぜ めぐり逢うのかを 私たちは なにも知らない いつ めぐり逢うのかを 私たちは いつも知らない どこにいたの 生きてきたの 遠い空の下 ふたつの物語 Mr.Childrenの桜井和寿が、この10月にカバーアルバムを出すらしい。そして、そこに収録されている曲の中…