え、それってどういうこと?/「出会いの先に」進藤晶子
ほとんど何も書かれていない一面白地の、いやちょっとクリーム色してるけど、一見すると表裏どっちから開ければ悩んでしまうような、とてもシンプルな装丁。右上隅にこっそりと申し訳程度に書いてある「出会いの先に」が、この本のタイトルなのです。
週刊アスキーに連載されている「進藤晶子の え、それってどういうこと?」という対談の、2000年12月〜2001年10月までに掲載された記事を再編集したものだそうだ。でも、本の発行日は2003年4月11日なので、1年半ばかしタイムラグがあります。なので、対談内容はちょっと古くなっているものもあるけれど、それを差し引いてもなかなか面白い。
対談相手は、庵野秀明、坂本龍一、桐野夏生、古田敦也、糸井重里、阿川佐和子、荒木経惟、花村萬月、松永真、中村正人、三谷幸喜、浅利慶太、西村由紀江、多田琢といった豪華メンバー。最初の方は進藤さんが緊張していたのもあったらしく、ぎこちない雰囲気がするけれど、回を重ねるごとにインタビューがこなれてきて、彼女の自然な感じが前面に出てくる。それにつれて読みやすくて内容も面白くなってくる。アスキーということで、コンピューターに関する話をすることがあるんだけど、それよりも自由に話しているときの方が、断然いい。
そもそもは坂本教授と三谷さんが登場しているというので読んでみた本ですが、面白かったのは阿川さんとアラーキーと松永さんの回でした。とくに、阿川さんの対談がほのぼのしててとてもいいです。ふたりとも自然体キャラだから、なんだかその辺で四方山話をしている感じ。
この本を読んでいると、進藤さんは本当にいい人なのだなあ、と感じます。いまはアナウンサーの頃と比べてメディアへの露出が多いわけではないけど、「がっちりマンデー」みたいにまったく出ていないわけでもない*1。そして、テレビを見るかぎり相変わらずとっても自然体で、その笑顔は見ていて安心する。この本のなかでも、多くの人がそのことに触れています。
週刊アスキーの対談はまだ継続中で、始まってから6年が過ぎている計算。これまで登場した人はどれくらいの数になるんでしょう。じつは連載は読んだことないので、1度読んでみようかな。
*1:どうやらちょうどこの前の放送から産休に入ったらしいですね。