鴨ちゃん、安らかに/「鳥頭紀行ジャングル編」西原理恵子×勝谷誠彦
はてなの検索ワードのトップに「鴨志田穣」とあったので、はてはて? と疑問が沸いた。だって、サイバラの元夫である鴨ちゃんがネタになることなんて、世の中一般的にはそんな多くはないだろうから。
いったい何があったんだろう。事件でも起こしたのかな。そんな想像をしながらリンクをたどってみて、衝撃の事実にたどりつく。
2007年3月20日午前5時、腎臓がんで死去、42歳。
・・・鴨ちゃんが死んじゃった? なんで? アルコール中毒が原因でサイバラと別れて、それを克服して、いまはまたヨリを戻していたらしいのに。
サイバラのサイト「鳥頭の城」(http://www.toriatama.net/)を見に行くと、以下の告知があった。
2007年3月20日午前5時、
鴨志田穣は永眠しました。
腎臓がんでした。
葬儀・告別式は密葬ですが、
後日、どなたもお越しいただける
「お別れの会」を開く予定です。
挨拶に寄ってくだされば幸いです。喪主・西原理恵子
やっとアル中を克服させたというのに。これから2人の子供と、新たな生活を送れるはずだったろうに。サイバラのマンガには、自分の過去のエピソードを綴っていることがよくあるけれど、そこにはいろんな死も描かれている。そのどれよりも、悲しいだろうし、悔しいのではないか。勝手に心中を想像したところで、彼女自身の悲しさははかり知れないほど深いに違いない。
本棚から、2人が出会ったアマゾン旅行の顛末記「鳥頭紀行〜ジャングル編」を取り出してみた。いまやコラムニストとしてだけでなく、コメンテーターや小説家としても大活躍の勝谷さんことかっちゃんが冒頭で、こんなことを綴っている。
それは、私は鼻クソほどは覚えている、タイ・バンコクの屋台での出来事であったのです。
(中略)
鴨志田穣―――鴨ちゃん。後に、地位が下落してただの鴨―――。カメラマンを志してアジアへ飛び出したものの、着いたその日に機材をごっそり盗まれて、あとはただの写真乞食。インドでヤク中になっていたところを、私の知り合いのジャーナリストに拾われて、今はそこに寄宿しているのです。ただ、酒までは恵んでもらえないので、こうして私はバンコクにくるたびに呼び出しては、おごってあげていたのです。
ああ、天も泣け。地も叫べ。誰が予想するでしょう。この鴨ちゃんもアマゾンへ行くことになるとは・・・。それだけではない。後にサイバラと正式に結婚し、今この瞬間もサイバラ御殿で、優雅な極楽生活を送っているとは・・・。
この出会いを、二人ともほとんど覚えていないという。二度と、会うことすらなかろうと思っていたという。しかし、運命の女神、いや、悪魔は、そんなに甘くはなかったのです。
そんなドラマのような出会いをした二人が、いままたドラマのように別れていく。事実は小説よりも奇なり。サイバラの場合は、漫画よりも奇なりというべきか。しばらく休筆するようですが、元気になったらまた描いてほしいです。
鴨ちゃんのご冥福をお祈りします。
- 作者: 西原理恵子,勝谷誠彦
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