大都会東京で生き抜くには/「上京ものがたり」西原理恵子

借り物サイバラ3作品の最後である。前の2作品もそうだが、全編カラーのマンガなので、30分もあれば読める。そして、読後感は爽快。


上京ものがたり

上京ものがたり


彼女は高知県で生まれ育ち、高校を中退後上京してきた。大都会東京で夜のバイトをし、男と付き合い、ときどき自分の絵を出版社に売り込んでいた。上京してから、少しマンガ家として名が売れて生活ができるようになるまでを描いた、まさに自伝的作品である。夜の歌舞伎町でのバイトの話が多く、そのときどんな出来事があり、どんなことを思っていたかを知ることができる。


こちらのエッセイと合わせて読むと、より臨場感が沸くと思う。文体はよそ行き(編集者の直しが多く入っているからだろうが)だが、ネタは実体験をもとにしているので、面白さは充分。


怒濤の虫 (双葉文庫―POCHE FUTABA)

怒濤の虫 (双葉文庫―POCHE FUTABA)


ふと、サイバラの世界にずいぶん浸っていることに気付いた。