これも読書なのだ/「関東道路地図」昭文社


自分の車にはカーナビがついていない。あれば便利なのはわかっているけれど、ついついナビ頼りになってしまい、道を覚えなくなるのではないだろうか。そうすると、なんだか脳が退化しそうで、買わないことにしている。


その代わり2年に1度、年が明けたころに地図を買う。地図と言えば昭文社のマップルだ。もう10年くらい愛用しているだろうか。何よりすごいのはその見やすさだ。信号機の横についている地名標識を青地に白抜きにしたのは、記憶の限りこの地図が最初である。その他の面でも色をうまく使い、ほしい情報がくっきりと浮き出して見える。よくこれだけの情報を詰め込んでおいて、ぜんぜんごちゃごちゃした感じを与えないものだと思う。


それにしても、地図は見ていて飽きない。行ってもいないのに、つい想像で行った気になってしまう。「ここをこう曲がると国道に出て、こっちに行くと駅があるんだ。だったら、商店街とかあって、人ごみになっているのかもなあ」なんてつらつら思いをめぐらす。


これを読書というのは語弊があるかもしれないが、自分にとっては立派な読書なのである。