座長の真の姿を拝めました/ワハハ本舗版 ザッツエンターテインメント 踊るショービジネス2『ダンス王』


初めて、ワハハ本舗の公演を観てきました。会場は新宿・東京厚生年金会館。久しぶりのハコです。たぶん、10年以上前に見た、やしきたかじんのコンサート(という名の独演会)以来でしょうか。


チケットを取ろうと思った直接のきっかけは、東宝ミュージカル「ダンスオブヴァンパイヤ」での佐藤正宏の演技を見て(レミゼにも出てるけど)、本当の座長はこんなんじゃないはずだよな、じつのところはどうなんだろうな、見てみたいな、と思ったこと。そういう動機で来た人は、あの会場に自分の他にいたのだろうか。いや、きっといるまい。


客は若い人が多いのかと思ったらそうでもなくて、よりどりみどりってところでしょうか。おばちゃんの集団も見かけました。マチャミ目当てなのかな。よくわからん。最前列には、昔からのコアなファンがいたみたいですね。自分は初心者、だから座席は最後列、しかも2階(笑)。


まあそれにしても、放送禁止ネタ連発でした。ウワサでは聞いていたけど、まさかここまでとは。笑えるところもあるけど、会場ドン引きというのもありましたね。


ポカスカジャンと南京がやった「空想楽器」は面白かった。どんな楽器があったか、もうすっかり忘れてしまったけど、それくらい瞬発力勝負のネタです。かといって一発狙いとも限らなくて、渋いネタ選定を、いかに馬鹿な展開で笑わすか、に力を注いでました。


それから、座長演じる「はだか侍」はかなり好きです。厚生年金会館という公の場所で、20人ちかくの男たちが素っ裸になって前だけ手や扇子で隠している様子は、大笑いモノ。そんな男たちが連なって舞台上を擦り歩くのは、最後列からでも、いや最後列だからこそおかしさ満点でした。


あと、個人的には柴田理恵のひとりミュージカルが、なかなか良かった。新選組隊員の衣装を着て、突然伴奏もなしでミュージカル曲を歌いだす。まじめに演じれば演じるほど笑えてしまう。下手をすると客の心を掴めぬままに終わってしまいかねないところを、演技力でひきつけている。なんというか、役者としての力量を感じさせました。


とはいえ、公演全体をとおしての「ダンス王」というキーワードにはあまりピンときません。もちろん、ダンスの出し物もあったんですが、正直なところ、お金を取って見せるレベルとは思えない若手が多かったのが残念。


一緒に観に行った友人の言葉を借りれば、「お金のかかった学芸会だね」。まったく同感です。のべつまくなし笑えるというわけでもなく、まあチャレンジ精神は買えるけど、このハコで見ることはもうないかもしれない。逆に小劇場なら面白そうなので、それは機会があったら見てみたいです。


そう思うと、SETの若手メンバーはみんなよく訓練されているのだな、と改めて思いました。今月末観に行くので、楽しみです。