漢字に捧げた人生

一貫して漢字研究に打ち込み、中国最古の文字である甲骨文字をはじめ漢字文化圏の古典を丹念に読み解いて独自の文明論を展開、通説への批判精神に満ちた「白川文字学」を樹立した。

76年に同大を定年退職後は特別任用教授として教育研究に従事。70歳で完全に退いたが、その後、13年の歳月をかけて計4000ページを超える前人未到の字書「字統」「字訓」「字通」の3部作を独力で完成させた。


白川静さんを初めて知ったのは、たしかずいぶん前に放送されていたNHKのドキュメンタリーだったと思います。その研究の様子を紹介していたのですが、真摯に漢字と取り組む姿勢に感動してしまいました。


自分は漢字検定の資格を持っているにも関わらず「字統」「字訓」「字通」を知らなかったので、番組放送後に本屋で一冊手に取ってみたのですが、まだまだ自分が読むには知識と情熱が足りないかな、と思いました。買っただけで満足して、そのまま本棚の肥やしにしてしまいそうなのです。


でも、せっかくというと変ですが、この機会にまずはどれか一冊買ってみます。酒の肴にチラ見して、味わうというのをやってみたいです(ぜんぜん真摯じゃないじゃん)。


きっと天国でも変わらぬ姿勢で研究を続けるのでしょう。ご冥福をお祈りします。